皆さんは自分の会社あるいは勤務環境は良いと感じますか?多かれ少なかれ、不満はあると思いますし、すぐにも転職をしたいと考えているかもしれません。日本における終身雇用的な考え方が、賃金を含めた勤務環境の新陳代謝を阻害し、成長機会を失う原因になっているとの指摘もあります。今回は就活生、転職を考えている人向けに、良い会社の条件について考えてみたいと思います。 <1.人的・組織的に風土の良い会社か> 社員の人間的魅力、生き生きと働ける雰囲気、風通しの良さがあるということは、個人のみならず、会社の成長にとっても大事な要素になります。社員同士が足を引っ張り合ったり、上から力で押さえつけるような組織は成長しません。そういう組織は無駄な緊張感を生み、不正を隠して問題が大きくなる体質でもあります。「心理的安全性」という、組織の中で安心して考えや気持ちを発言できるという状態を重視して判断してください。 <2.新しい価値を見出しているか> コロナ禍に伴い、デジタル面だけでなく、働き方にも諸外国に対して遅れている日本の現状が明らかになりました。日本の中小企業は更に体制面では後れをとっています。30年間・40年間、同じ仕事を続ける古参社員が強い発言権を持ち、自分の慣れた仕事の進め方を変えさせない・・・というのはよくある話です。カンコツ(仕事のカンやコツ)や慣れに依存することなく、誰もが創意工夫で少しずつ改善ができ、業務を効率化して新しい付加価値を生み出せる環境は競争力を高めます。 <3.挑戦の機会を与えてくれるか> 人間は失敗をするものですし、わからないことは沢山あります。どんな仕事にも初めてがあり、それが多ければ業務の幅も人間的にも成長します。同じことを続けるだけでなく、新たな挑戦にこそ価値があります。挑戦が許されない組織では、いくら長くいても成長できませんね。 <4.採用・教育に力を入れているか> 社員の成長=組織の成長です。新卒でも中途でも、新陳代謝がない会社は活性化しません。また、社員教育を時間の無駄と考える組織もしかりです。管理職になるにはマネジメント能力が必要です、管理職教育がきちんとされていない組織の管理職は、部下をつぶす可能性もあります。当然、優しいだけでも部下は育ちません。 <5.副業(含む社内副業)を認めているか> かつては就業規則に副業禁止が明記されている企業がほとんどでした。しかし「働き方改革関連法(2018年施行)」以来、副業を認める企業は増え、厚生労働省のモデル就業規則でも副業・兼業促進に関するガイドラインを作成しました。女性活躍が進み、組織の活性化を目指す大手企業では、副業や転職の経験者を管理職の条件とする場合もあります。ただ一社で一つの仕事、それだけでは国際的な競争力に太刀打ちできません。これからは、多様な働き方が企業価値を高めるという意識が強くなっていくでしょう。 同じことしかできないのではなく、失敗を恐れず挑戦する人を大切にする組織が「本当に良い会社」といえるかもしれませんね。 以上