今回は、原油相場のニュースで耳にするWTIについてポイント解説します。 <原油相場の単位はバレル> 原油相場は1バレル=〇〇ドル、という表現をされますが、バレルの語源は樽(たる)です。1バレル=158.98729…リットルで、およそ159リットルです。 <ニュースで聞く「WTI」って何?> WTIはウェスト・テキサス・インターミディエート West Texas Intermediate の略です。西テキサス地方の良質の原油であり、他には北海ブレンド・ドバイ原油・ロシア産原油などがあります。WTIは米ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上場されており、原油相場のベンチマークとなっております。米国で6%、世界で1~2%でしかありませんが、上場され取引量(先物)が多いことで、実物が少なくとも基準価格となっています。 <WTIの最高値を知ろう!> WTIに高値は、2008年7月11日に記録された1バレル=147.27ドル(ザラ場=取引時間中)です。これは後に解説するリーマンショックに大いに関係しますが、いわゆるバブル相場です。コモディティー(商品相場)がバブル化し、リーマンショックとともに急落に転じます。先物取引で買いのポジションが積みあがった反動は大きく、1バレル=40ドル割れまで下落しました。 <原油は無くなると言われたけれど> かつて原油はあと〇〇年で枯渇するなどと言われていました。しかし近年はそんな原油が無くなるなどという話は聞かなくなり、油田の寿命はむしろ延びています。これは採掘技術が進歩したことにより、採掘可能な油田が格段に広がったことによります。真っ直ぐボーリングするだけでなく、斜め堀り、水平掘りが可能になり、地中で方向転換もできます。加えてビットと呼ばれる採掘刃物の耐久力が高まり、より深く、長時間ボーリングできます。 <原油相場とシェール革命> 採掘技術の進化により、今までの油田より深いシェール(頁岩)層に浸みている資源も採掘可能になりました。これがシェール革命と言われるもので、天然ガス(シェールガス)も可能性が広がりました。但し、設備・時間・深度の問題もあり、これまでの採掘よりコストがかかります。よって原油相場が安い時には従来技術、原油が高騰するとシェールオイルが採掘されます。なお、脱酸素の流れもあり、シェールガスはまだしも、シェールオイルは先細りの方向が見込まれます。 以上
