皆さん、私が所属する日本FP協会においても、パーソナルファイナンスの必要性を重視しています。生涯を通じて、お金の問題を抜きに充実した人生を送ることはできません。お金を稼ぐこと自体は人生の目的ではありませんが、より良い生活を送るためには必要不可欠です。 <日本人は投資に消極的> 日本人は最も投資に消極的な国民性であるという状況が続いています。日本人は金融知識に乏しい、インフレへの警戒感が強くない、リスク(不確実性)を避けたい国民性である、ことが原因であると考えられます。「いかなる投資も行っていない」割合は6割近くであり、圧倒的な消極姿勢が表れている。政府の掲げる「資産所得倍増」や「貯蓄から投資」へは遥か遠い道のりが想定されます。しかし自己防衛という見地から、知識を増やし対応する必要性も指摘される昨今です。 <1.投資 Investment> 「プラスサム」であり、対象のπ(パイ)が増加し、その成長分を分け合うことです。株式投資のように、企業が成長することで株価が上昇し、配当を受けることもできます。NISA、積立投信、株式保有のように、価格の増加に重きを置く取引です。比較的長期間で、複利効果を狙う取引と言えます。 <2.投機 Speculation> 「ゼロサム」であり、対象のπ(パイ)に変化なく、限られたπ(パイ)を取り合うことです。FX(外国為替証拠金取引)のように、短期間で頻繁に売買を行う取引等です。価格の変動幅に対して利益を取り合うことになり、誰かが得をすれば誰かが損をします。価格の変動に重きを置く取引です。 <3.ギャンブル> ギャンブルは、賭事・ばくちのことです。結果が偶然に左右されるゲームに金銭を賭けるものです。競馬・競輪・ボートレースなど。 <本質を理解し時間を味方に> 私個人的に、投資とは「お金自身に成長してもらい、将来に備える手段」であると考えています。投資は「長期・分散・積立」を基本とし、一か八かの投機でもギャンブルでもありません。長い人生の途中では、大なり小なり資金が必要な場面があり、資金により乗り切ることもできます。老後2000万円問題のように、継続的な積立投資を行うことで、不安が和らぐこともあります。ライフステージに応じて方針を変えてもいいし、もし迷ったら相談すればいいです。資金の問題で自分の可能性を切り捨てることのないようにしてほしいと願います。 以上
