皆さん、コンプライアンスというワードはよく聞きますが、内容を理解していますか?コンプライアンスは「法令遵守」と訳されますが、法令違反をしないという解釈でいいのでしょうか。法律や条例を守ることは当たり前のことであり、最低レベルのことです。それができなければ犯罪者です。では違法ギリギリの行為でいいのでしょうか?それでは社会的な信用を失墜する恐れがあります。悪いことがSNSで拡散される昨今、「常識が法である」という行動が求められます。 <コンプライアンスの範囲> コンプライアンスの範囲は 法令<社内規程・マニュアル<企業倫理<社会貢献 までを含むと解釈されています。その理由は、法律は社会を要求や期待の全てを満たすものではないからです。企業文化や社風を改善していくための「自発的な取組み」がコンプライアンスには求められます。つまり、より広く高いレベルまで遵守できる環境整備が企業には必要となります。昨今では、数字では表せない「定性評価」が一層重視される時代になってきたと言えます。 <コンプライアンスの必要性> コンプライアンスを要請する要因には、まず次々と発覚する企業不祥事があります。不祥事に対する社会の目が厳しくなり、再発防止・コンプライアンスの徹底が求められています。また前述の定性評価としてCSR(企業の社会的責任)という社会貢献や企業倫理への取組み姿勢が重視されています。経済のグローバル化に伴い環境も変化しています。海外でのルールも無視できず、訴訟のリスクも想定されます。加えて大量生産・大量消費の経済から、成熟した社会として満足度が求められ、模範的な企業行動も期待されています。なお、雇用形態も変化し、企業への忠誠心やモラルが薄れてきたこともコンプライアンス体制整備の背景にあります。 <コンプライアンス体制の構築> コンプライアンス体制の構築には、経営者の決意と自発性の醸成が必要です。かつての不祥事はトップの関与も多かったですが、近年は知らぬ間にコンプライアンス欠如が進行していきます。業績よりもコンプライアンス遵守を優先する経営スタンスが必要不可欠な時代と言えます。不正が発覚すれば、不正金額に対して計り知れないほどの経済損失が発生し信用も失墜します。一時的に業績が落ちたとしても、信用を維持する覚悟が大切です。 コンプライアンス体制の構築には、自発性の醸成も重要になります。「不正は許されない」という基本姿勢を、末端の従業員まで浸透させ、企業風土の健全化が求められます。そのためには、コンプライアンス教育を定期的に行わなければいけません。企業側のコンプライアンス重視のスタンスを示し、社員と共有することが目的です。 <ルール違反の原因> ルール違反の原因には、主に3つが考えられます。1つ目は、ルールを知らない、理解していない、納得していない。しかし、不祥事が発生した際、知らなかったでは免責されませんし、許されません。上司の指示であっても責任は免れることはできません。2つ目は、違反しても罰則されない、違反を戒める社風・チェック体制がない。これはすぐに改善の必要があります。3つ目は、経営陣・管理者がルールを守っていない、強い業績主義がある。もちろん、コンプライアンス意識を最も意識しなければならないのは経営側です、コンプライアンスが業績に優先するのは前述のとおりです。 <コンプライアンス強化のポイント> コンプライアンスは取り締まりだけの監視体制では改善できません。それぞれの職場に合った創意工夫による自発的な取組みができる企業風土を目指してください。 以上
