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<24>ストレスとメンタルヘルス

  皆さん、ストレスやメンタルヘルスケアについて考えたことはありますか?労働安全衛生法の改正により、平成27年から50人以上の事業所ではストレスチェックが義務付けられています。企業には安全配慮義務が課されており、管理監督者や作業主任者はメンタルヘルスケアの知識が不可欠です。現実的には「仕事や職業生活に関する不安、悩み、ストレスがある」という人は半数以上に上ります。しかし極めて個人内面の問題に対して、制度運営を企業側が行うことはとても難しいことです。
<メンタルヘルスケアの必要性>
  うつ病や精神障害に伴う自殺や労災認定件数・民事訴訟は増加傾向にあり、企業側も安全配慮義務への対応が必要です。心理的負荷による精神障害に認定されるには「業務遂行性」「業務起因性」が判断基準となります。業務遂行性とは、労働者が企業の管理下にあること。業務起因性とは業務に伴う危険が現実化したものです。万一民事訴訟となり企業に落ち度が認められた場合、慰謝料や逸失利益の支払い義務が生じます。企業には情報提供・従業員教育・管理監督者教育のほか、職場環境の改善、メンタルヘルス不調者への対応、職場復帰のための支援等、安全衛生委員会としての対応が求められます。管理監督者にはコミュニケーションを通じたリーダーシップによるストレスの把握や対応のほか、労働時間、作業環境、精神的緊張などの管理やストレスマネジメントの知識が必要になります。
<ストレスと職場対策>
  ストレスと職場対策については、ストレスについての理解を深め職場環境の改善・対策を行います。ストレスとは個人にとって負担となるような出来事や要請であるストレッサーによって生じます。ストレッサーによって引き起こされた精神状態や身体症状がストレス反応です。ストレス反応は心理的側面(不安など)・行動的側面(ミスなど)・身体的側面(不眠など)として現れます。ストレスによってうつ病・統合失調症・アルコール依存症・適応障害・睡眠障害などを発症する場合があります。ストレスと職場環境の関係としては、仕事の負荷・責任などの仕事の要求度、裁量権・自由度などの仕事のコントロール、上司・同僚の支援などの人間関係が特に深い関係にあります。メンタルヘルスに対する企業の対応として、社内方針の策定、管理監督者による職場環境改善の実施体制整備、そして安全衛生委員会での調査・審議・巡回による改善と対策が必要になります。
<ストレスの予防と気づき>
  ストレスの予防と気づきには管理監督者の役割が重要です。メンタルヘルス不調者の発見と相談、社内体制・社外連携の構築、職場復帰支援制度の整備が必要です。社内においては管理監督者と人事労務、安全衛生委員会、産業医の連携が不可欠です。メンタルヘルス不調は産業医の関わりを通じて、身体の症状として現れる場合は心療内科、精神の症状として現れる場合は精神科を受診してもらいます。企業としては休業中のケアに始まり、職場復帰へ向けた支援プログラムの策定が不可避です。まずはストレスの少ない、ストレスを産まない、働き甲斐のある職場を保つ風土が求められると言えます。
                                                           以上
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