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<25>管理監督者のメンタルヘルス

  皆さん、今回は管理監督者のメンタルヘルスケアについて考えてみます。管理監督者は部下を管理する立場として労働時間、作業環境、精神的緊張などの管理やストレスマネジメントの知識が必要になります。その一方、管理監督者は上司と部下の板挟みのほか、十分な権限もない「名ばかり管理職」も存在します。つまり、管理監督者自身も一人の人間として、自身のメンタルヘルスケアに留意する必要もあるのです。
<部下の管理>
  管理監督者は部下の管理を行う立場にあり、部下の抱えるストレスに気づき軽減する役割を担います。長時間労働や心理的負荷が極度のものなど、「特別な出来事」にはまず注意が必要です。その他に、事故や災害の体験、仕事の失敗や責任の発生、仕事の量・質、対人関係などにも気を配ります。ストレスの対処には休養、つまり心身の疲労をとる「休む」ことと、豊かな心持ちにする「養う」が有効です。具体的には睡眠、運動、食事、リラクセーションがあげられます。職場のサポートとしては、慰める、励ますなどの「情緒的サポート」、問題解決に役立つ情報を与える「情報サポート」、手助けを行う「道具的サポート」、仕事ぶりを適切に評価する「評価的サポート」が有効です。なお、健康情報は個人情報のなかでも特に機微な情報(=厳格に保護されるべき)ですので取扱いには注意が必要です。メンタルヘルス不調を疑うことに罪悪感を感じる人もいますが、手遅れになる前に「病人扱い」することも有効です。症状が身体症状として現れる時は心療内科、精神症状として現れる時には精神科の受診となります。
<良好な職場維持>
  ストレスと職場対策については、ストレスについての理解を深め職場環境の改善・対策を行います。仕事に関してストレスを感じている人は50%以上に上り、ストレスチェックの結果等を参考に対応を行います。管理監督者が自ら行う改善には、作業改善・仕事のやり方、個別の労務管理などストレスを減らすことを目指します。産業医との連携による改善は、職場巡視や聞き取り調査で原因を把握・評価し、管理監督者への助言を行います。人事労務管理者との連携による改善には、管理監督者だけでは解決できない職場配置転換、人事異動、組織変更などがあります。安全衛生委員会では、審議を通じて会社全体の職場環境改善に取り組みます。
<管理監督者自身のメンタルヘルスケア>
  管理監督者のストレスを持つ割合は全体を上回る60%以上です。特にまじめで仕事熱心・几帳面な人は要注意です。管理監督者も一人の人間として、ストレス反応に気づき、質の良い睡眠をとりリラックスするなどを心がけてください。そして管理者ゆえに相談にためらうことも考えられますが、時には自ら相談することも必要です。
                                                              以上
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